40年前に、芽はあった

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40年前に、芽はあった

  

 

 

新事業、新商品、新技術、新サービス、これらの開発を考える際に、重要性を持つのは、開発指針の構築です。 指針なくして、進路無しです。

  

 

 

今回は、この指針作りで欠かせない、しかもその影響度が大きく、重要性の高い項目として、“未来をどのように読むか”の一視点をご紹介します。

   

  

 

 

 

 

 

**********思考に時間軸を**********

  

 

 

 いきなり“未来の姿”を言いなさいと云われても困ります。

人間、体験の無いものは、なかなかイメージできません。

  

 

 

しかし、時間軸の他の点、過去や現在なら分かります。 既に経験し、イメージが出来上がっているからです。

  

 

 

 未来を考えることは、時間軸の移動を意味します。 人間、意識して、この時間軸移動を訓練し、慣れてこないと、過去、現在から、飛躍することはできません。

  

 

 

 10年先を考えるには、10年前と、現在を比較し、その変化を把握する。 そうすれば、10年後がイメージし易くなります。

  

 

 

 当然、業界、製品により時間の単位は異なります。 より短い製品開発サイクルが競争力の源泉になっていることも否定できません。

  

 

 

 しかし、短い開発サイクルのために、小手先の改善に追われ、真の意味の新開発に結びつかないケースも多々あります。 

  

  

 

 

 

 

**********夢と現実との狭間**********

  

 

 

 新開発の頂点は、夢と現実との狭間にあります。

夢のままに終われば意味がありません。単なる漫画の世界です。

現実過ぎると、面白みがありません。 正にこの狭間が、最大の魅力となります。

  

 

 

 時間軸を持ち込む場合、この狭間は、どの程度の先なのでしょうか?

10年後? 業種によっては十分に未来でしょう。

通常の日常生活感覚で考えると、30年後ぐらいが適切ではと思えます。

  

 

 

10年後?  もはや現実社会、技術開発も現実を視野に、限られた発想となります。

100年後? もはや想像することが、意味の無いものと、考えません。

30年後?  丁度、漫画の中の夢の世界と、今の現実との交差点ではないでしょうか?

   

 

 

開発視点に“夢と現実の狭間”を追及することも、飛躍の一手法です。

  

  

 

 

 

 

**********40年前**********

  

 

 

 

10年前を振り返りますと、私などは、シャープのワープロ「書院」で、書類作りに励んでいました。

  

 

 

 その頃の感想では、途中で文字の間違えを発見したり、一文を追加したくなった時などは、それがキーボードを叩くだけで可能であり、随分と便利なものができたと、感謝の気持ちで一杯でした。

  

 

 

 読者の中にも、似た経験をお持ちの方もあるかと思いますが、筆者が造船企業に入社したのが、昭和44年、今からほぼ40年近く前です。

  

 

 

 当時の社外向け正式書類の作成、英文タイプのできる事務の方にお願いするのが、一般的でした。タイプをお願いするには、事前に十分に文章の一字、一句を吟味し、完璧な状態でお願いしなければ、後の修正は、再度、全面の打ち直しとなります。

  

 

 

 また、外部から来る書類の複写がほしい場合も、今のような複写機は、当然ありません。通常の不透明紙に記載されたものは、複写できなかったわけです。

不法複写を作成するには、かなりな困難が伴った点は、安全な時代であったのかもしれません。

  

 

 

さらに、計算機は、本社の1フロアーに、多く並び、多くのキーパンチャーが各種のデータを、計算機読取りカードに打ち込む状況でした。

  

 

 

そのような中で、1台のパーソナルコンピュータ(パソコン)が、配属先の設計室にやって来ました。 高さが1mくらいで、60cm角程度、今の小型冷蔵庫ぐらいの大きさでした。

  

 

 

技術計算用フォートランプログラムを自分で作り、映画フィルムのような紙テープに、計算プログラムと、データを打ち込み、テープリーダーで読み込みさせることにより、漸く計算機として利用できるシロモノでしたが、ソロバン、計算尺、手動式計算機が主力の時代にあっては、神器の存在でした。

  

 

 

そのようなパソコンの月額レンタル料が10万円、当時の大卒初任給のほぼ3倍のレンタル料金であった訳です。

  

 

 

そこには、強いニーズが存在していました。 また、既に技術の芽は現れていた訳です。

 

基礎技術が現れ、その技術を応用した製品が開花し、収益に結びつくには、、20年〜30年を経過した頃が多いようです。

  

  

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