最近の印刷技術の進歩は目を見張るものがあります。
パソコンとプリンタの普及と高性能化により、自宅やオフィスにいながらにして
カラー印刷や写真出力ができるようになりました。
また、自分で印刷する時間がなかったとしても、依頼主がコンピュータで
作成したデジタル原稿を持ち込んでその場で印刷ができる
「オンデマンド印刷」サービスなどを利用すると、まとまった数のカラーの
ちらしやはがきが24時間以内に出来上がることも珍しくありません。
ところが、大量のパンフレットや写真などの入ったポスターなどは、
納品までの時間がかかるものの、従来の印刷技術を利用したほうが
安価で高品質な仕上がりが期待できます。
となると、場合によっては、パンフレットやポスターの制作期間が事業年度を
越えてしまうものもあるかもしれません。
今日は年度を越えて制作するパンフレットやポスターのお話です。
税務上、広告宣伝物や消耗品の取得に要した費用は、その広告宣伝物や
消耗品を消費した日の属する事業年度の経費とするのが原則です。
(事業年度ごとにおおむね一定数量を取得し、かつ、経常的に消費するものにつ
いては、購入した日の属する事業年度の経費とすることも認められています。)
事業年度を跨いでパンフレット等を制作した場合は、そのパンフレット等を
消費する日は通常、取得した日以後、つまり取得した事業年度内だと
思われます。
いずれにしてもパンフレット等を取得した(パンフレット等が完成した)
事業年度の費用となるわけです。
問題は、その費用の一部、たとえば既に納品済みのデザイン料を前の
事業年度に支払ってしまった場合です。
一応、デザインはデザインで納品済みなのだから、前の事業年度の
費用にできるのではないかと思う方もいますが、そうではありません。
あくまでもデザイン料はパンフレット等の作成費用の一部であり、
その費用を購入日の属する費用にするためには、パンフレット等の取得が
完了していることが要件になるのです。
従って、そのデザイン料については前払い金とし、翌事業年度の
経費にすることになります。
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ビジネスコラム提供者情報
- 士業:税理士
- いずみ会計事務所
- 東京都千代田区二番町1-2 番町ハイム737号室
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