製品のコストは、実際に製品を作るための活動である材料や部品を購入する購買部門や部品を加工したり、組立てて製品を作る製造部門で発生しています。
このため、従来は、お金で見える購買部門や製造部門が中心になってコストダウンが進められてきました。
しかし、設計段階では、製品に用いられる材料の材質や形状、寸法、精度などを決めることでコストの大半が決まっていること、つまり「設計段階でコストの80%は決まる」ことが叫ばれるようになってきました。
つまり、よい設計とは、製品コスト面でも安価で客先のニーズを満たしているということです。
それでは、その設計業務について、その内容を確認してみましょう。
設計では、お客様のニーズを満たす形ある製品に変換することを進めています。
例えば、お客様が、夜暗い道を安全に歩きたいと考えています。
すると、明かりで照らせば安全に歩けるということになり、軽くて邪魔にならず、持ち運びのしやすい懐中電灯を作ろうということになるわけです。
その大きさやデザイン、性能などから始まって、具体的な形と大きさが決まることになります。
懐中電灯の形や大きさが決まると設計部門は、その内容を材料や部品を調達する購買部門や生産する製造部門に伝えることになります。
この伝達の方法は、設計部門が発行する図面や仕様書に表されることになります。
それでは、ここで自社の図面や仕様書を確認してみてください。
図面を見たならば、どのような製品や部品を作ろうとしているのかわかるでしょうか。
また、作ることができる形状になっているでしょうか。
なんてバカな質問をしているのだろうと思っているかもしれませんね。
しかし、自分の会社だけにしか通用のしない図面を書いていることがよくあるのです。
具体的な例を挙げてみましょう。
一つに、部品の図面が無く、組立図しかないケースがあります。これを当たり前と思っているのです。
これまで、同じような製品を作っている場合や仕入先に任せてしまっている会社などの場合には、自社に部品図が無いことがあります。
それでも製品は出来上がっています。
それは、どこかで、誰かが、部品図を作っているのですが、どこにあるのかわからないのです。
おそらくは、材料や部品を発注する前にが部品に展開しているか、それらの製品を作っている現場の作業者の頭の中、外注先になるでしょう。
このような現状に対して、作れるのならば、別に部品図などいらないと簡単に判断してしまう人もいます。
それでは、製品や部品のコストを引き下げようと考えた場合、どのようにコストダウンを進めればよいのでしょうか。
何の資料も無い状態でコストダウンを検討しようとしても何も進めることはできないでしょう。
まず、部品に展開した担当者を捜すことから始めなければなりません。
また、その展開した部品が、最も経済的なものなのかをどのように判断するのでしょうか。
これに似たケースに、設計部門が発行した図面や仕様書と生産現場の持っている図面や仕様書が違っていることがあります。
これには、設計部門から発行された図面や仕様書では作れないと現場が判断して、独断で修正してしまっている場合や、設計部門が修正や変更の依頼を受けているのにもかかわらず、修正の作業を行っていないことなどがあります。
この場合にも、コストダウンを進めようとすると話に食い違いが出て、進まなくなるでしょう。
コストダウンを進めるにあっては、まず設計者が作ろうしている製品や部品の内容をしっかりと購買部門、製造部門に伝えることのできる図面や仕様書になっていることが肝心です。
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