設計業務の中での図面や仕様書の大切さについて、今回も考えていきましょう。
前回は、設計段階で発行する図面や仕様書が、しっかりと準備されていなければ、コストダンの検討もできないということをお話しました。
今回は、図面や仕様書はあるのですが、その内容に問題がある場合について考えてみまよう。
設計部門から発行された図面についてよく確認をしてください。
まず、図面の中には、組立図や部品図が一点だけ記載されているでしょうか。
よく見かけるのが、一枚の用紙の中に複数の部品を記載しているケースがあります。最も多いのがユニット単位の組立図とその部品を記載していることです。
一般に、機械図面は、一つの部品について三角法で記載されており、平面図、正面図、側面図からなります。つまり、一品一葉の図面になります。
しかし、一枚の図面の中に複数の部品を記載するとどのようなことになるでしょう。
一つの部品に3方向の図(平面図、正面図、側面図)を複数記載しようとすれば、複雑で見にくいものになってしまいます。このため、不必要と思われる図を省略してしまうのです。
この結果、軸ものなどは、正面図だけになってしまったりするのです。
それでも、十分に理解できるように描かれていればよいのですが、必ずといってよいほど記載漏れ発生するのです。
この記載漏れは、製品を作ることができませんので、生産現場では何らかの方法で確認を取ることになります。
そして、この記載漏れを設計者が、図面に記入すれば、次回以降の生産には問題ないのですが、記入する場所がなかったりすれば、そのままにされてしまうことになります。
これは、記入漏れの内容を知っている人や仕入先しか、その製品や部品を作ることができません。つまり、それ以外の人や仕入先では簡単に作れないことになって、競争の原理が働かなくなってしまうのです。
このような状況では、コストダウンを進めようとしても、まず誰が製品を作るために必要な情報を持っているのか捜すことから始めなければなりませんし、コストダウンへの道のりは遠いものになってしまうでしょう。
製品のコストダウンをどのように進めたらよいのか企業の第一の目的は、利益の獲得にあります。その経営活動は、結果として数字で表れされます。企業が、維持存続し、成長していくためには、この数字のからくりを理解し、経済性を高めることが大切です。それは、ただ数字を眺めているだけでは分かりません。やはり、経営活 …
最近投稿された他のコラム
会員メニュー
会員限定のメニューです
気になったページのMyリストへの登録や、経営に役立つ情報メルマガの管理など、さまざまな便利機能がご利用いただけます