知らないことがわかっていますか（日本コストプランニング）

知らないことがわかっていますか

やはり３現主義は大切だ

一昨年の後半から、大手企業の製品に関するトラブルが新聞に数多く掲載されてくるようになりました。

これは、一つにインターネットのおかげがあると思います。

インターネットの普及する前であれば、被害を受けた方と製品を作ったメーカーの間で穏便に処理されてしまっていたはずです。それが、インターネットを利用することによって、情報を多くの方々が共有できることになったことがあると思います。

これに対応してメーカーも、企業イメージを損なうことのないように公表するようになってきている点もあるように感じます。

そして、製品トラブルに対して、もっとも適切に対応したのは、松下電器産業㈱の石油ストーブではないでしょうか。

私の場合、これらの製品トラブルの記事を読みますと、何が原因でこれらの問題が発生してしまったのかを確認しています。

果たして、本当の原因が掴めているかはわかりませんが、記事を読んで、いつも感じることがあります。

それは、製品に要求される性能や品質、特性などについて、開発・設計段階で品質や耐久性を評価するためのテストをどこまで考えて、テスト項目や基準を設定し、検討したのかなということです。

開発している製品は、何年あるいは何十年使われるかを考え、どのようなの環境の中で使われ、その環境の対するどの程度の厳しい条件を設定し、テストや評価を進めているかということです。

先日、ある会合の中で、現在世界でもっともリコールの多い車メーカーはトヨタである。

その理由は、トヨタでは、部品を協力会社に依頼してしまっているため、肝心なことがわからなくなってきていると述べていた方がいます。

私も、大手のメーカーの設計や資材・購買の方など、自分の専門は知っているが、それ以外について知らないなと感じることがあります。

たとえば、設計者の中には、担当する製品を構成する部品について、それがどのように作られているのか、また実際に出来上がった部品を見たことがないという方がいます。

それでも、製品はできているということに驚かされたことがあります。つまり、知らないことをわかっていないのです。

このような状態で製品のトラブルを防ぐことができるでしょうか。

製品のトラブルには、大きな代償と費用の発生を伴うものです。

まず、設計者も、製品や部品などの実際の現物、使われる現場、使われる状況を確認しておくことが必須ではないでしょうか。

また、大手のメーカーで見受けられることなのですが、製品の一部のユニットを協力会社に、そのまま丸投げしているケースがあります。

自社では、そのユニットに関して、仕様を出して、評価だけをしています。

このため、仕様を満たしたユニットであればよいのだといって、その中身を知ることもなく、ＯＫしています。

これで製品に要求される品質や性能は確保できていると判断してよいのでしょうか。

これも、実際の現物、使われる現場、使われる状況を見ていないことでは、同じではないでしょうか。

もっと、知っていることを増やすことが、製品のトラブルを防ぐことになっていくように考えます。

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