今回は、製造現場で、効果を発揮するコストダウンのポイントについて考えてみましょう。
K社は、主に設備機械を受注し、部品の加工から製品の組立、最終検査までを行い、客先の指定する場所に納入しています。
K社の対象は、設備機械であるため、月に10台に満たない生産台数です。
ただし、発注元企業では、注文は20台になることもあるのですが、月に指定した台数だけを納入する一括発注分割納入法で注文依頼を受けています。
このK社の特徴は、小ロットであるが、1台あたりの部品点数が多い設備機械を毎月生産していることです。
つまり、毎月リピート(繰返し)のある部品を加工し、組立、出荷検査をし、精密機械運搬用のトラックで指定した場所に納めていることになります。
このような場合、多くの会社で考えることに部品をまとめて作って、部品のコストダウンを図り、組立の納期だけをみて、納期の管理しようとするものです。
しかし、K社の客先の設計変更は多く、すぐに変更を反映した製品を出荷するように要望されることから、まとめて作ることはできません。
このような状況の中で、K社はしっかりと利益を上げていました。
その方法は、部品を加工するのにあたって、一人の作業者が、複数台の機械を扱っていることです。
例えば、一人の作業者が、鋼板(定尺材)を切断するのに3台のレーザー加工機を平行して使っているのです。3台の機械は、全く異なる部品を切断しています。
これは、NC旋盤、マシニングセンタ、ワイヤーカット放電加工機などほかの機械でも同様です。
「何だこんなこと。当たり前じゃないか。」といわれる方もいらっしゃると思います。
ここで考えて欲しいのです。
このように複数台の機械を一人の作業者が、掛け持ちすることを徹底できているでしょうか。
複数台持つためには、機械を購入するときの考え方が重要です。
一人の作業者が、機械をとめることの無いように、複数台掛け持ちできるようにアタッチメントやパレットチェンジャーなどのオプションを一緒に購入しているか、後から追加で購入しているはずです。
つまり、設備機械の購入に関して、どのように使っていくのかをしっかりと考えているということなのです。
それからもう一つ、一人の作業者が、複数の設備機械を使うことについて、何故それがコストダウンに繋がるのか、全く意味を理解していない管理者の方がいます。
たとえば、ここに2台の機械があるとします。
ケース1では、1台の機械に一人の作業者がついて、2台の機械に2人の作業者で部品加工をしています。
ケーズ2では、2台の機械を一人の作業者が使って、部品を加工しています。
もし、同じだけ部品を加工できたなら、ケース1よりもケース2の方が安い費用で部品を作っていることになります。
それは、作業者一人分の労務費ということになります。
このように考えると、何故、機械の掛け持ち台数が多いとコストダウンになるのかが理解できます。
あなたの会社でも、一度確認してみてはいかがでしょうか。
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