皆さんは、「温故知新」という言葉をご存知でしょうか。
この言葉よりも、むしろ、「故き(ふるき)をたずね、新しきを知る」といった方がわかりやすいかもしれません。
昔、誰かによってまとめられた資料などを理解するまで十分に穴の空くほど研究すれば、新しいことを見つけ出すことが出来る(ちょっと比喩しているかもしれませんが)ということではないでしょうか。
最近、ある方から、製造業の指導をしているコンサルタントの方は、コンピュータの活用を進めているためか、横文字が多く、肝心なことをできない人が多いといわれました。
ちょっと不愉快な思いをしながら、お話を聞いていました。
コンピュータを使用したERPシステムやPLMシステム、PDMシステムは、注目されるのですが、工場を管理していく上で重要なファクターである標準時間を設定できるコンサルタントが少ないということでした。
この話を聞いたときに、確かに改善指導をするといわれるコンサルタントの方の中にも、標準時間の設定が出来る方は、少ないなと思いました。
一般に、標準時間の設定は、ストップウォッチを使った時間測定が多いのではないでしょうか。 この時間研究は、1911年に米国のF・W・テイラーの「科学的管理法」によって日本に紹介されました。 それ以降、日本では、ストップウォッチによる時間測定が、多くの企業で導入されました。
そしてもう一つの方法に動作研究があります。 これは、米国の建築技師F・B・ギルブレスによって、作業は、動作の組合せである。 家を建てる作業をする上で、それらの動作の組合せの数が多ければ、それだけムダがあり、効率が悪い。 したがって、ムダな動作を減らし、作業を標準化することによって、効率のよい作業とその時間を決めることができるというものです。
これは、一つ一つの動作には意味があり、その動作は、運ぶ品目の距離や重量などによって決まるという動作研究になったのです。 標準時間は、生産管理業務において、納期どおりに製品を作るために、そして原価が許容範囲を外れていないか、外れた場合に迅速にフィードバックするためなど重要な役割を持っています。
標準時間を設定することなく、ERPシステムやPLMシステムの運用をすることは、効率よく生産業務を進めることに目的があるのではなく、最新のコンピュータ・システムを導入しているというステイタスに目が向いてしまっているだけではないでしょうか。
会社の第一の目的は、利益の獲得にあります。標準時間は、古臭いものと笑っている経営者の方もいるようですが、利益獲得のために効率を考えるのではないでしょうか。
何故、標準時間の設定が大切であったのかをもう一度調べ直し、生かすことは大切ではないでしょうか。 「温故知新」によって、わかることではないでしょうか。
製品のコストダウンをどのように進めたらよいのか企業の第一の目的は、利益の獲得にあります。その経営活動は、結果として数字で表れされます。企業が、維持存続し、成長していくためには、この数字のからくりを理解し、経済性を高めることが大切です。それは、ただ数字を眺めているだけでは分かりません。やはり、経営活 …
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