ITは経営革新を呼ぶか

ITはツールです

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現在、ほとんどの会社がパソコンを使っていますね。
また、パソコンがないと仕事ができなくなるくらい、常にパソコンを持ち歩いている人もいます。

古い話をしてしまうのですが、パソコンが普及する前は、汎用コンピュータが中心でした。

その当時、私は、アメリカで開発された生産管理業務のソフトウエアの日本語化や日本での運用などについての検討、一部のシステム開発の支援などの業務を担当していました。

アメリカでも1,2位を争うソフトでしたので、生産−販売−会計−人事など経営システムとして体系化されたソフトウエアでしたので、経営全体の中で生産業務がどのように位置づけられているか、どのようま考え方で作られているかよく理解できました。

また、アメリカの生産管理コンサルタント会社大手のオリーバーワイトとも関係があったため、理解するための資料にも困ることがなく、非常に楽しかった思いがあります。

話を戻しますが、最近のITということでコンピューターの活用をみておりますと、ITコーディネーターという方々が中心になって、生産管理システムの導入や開発が進められています。

その進め方を見ていると、書籍などにも紹介されているようにソフトウエアに業務をあわせろ、うまくいかない部分は後から修正すればよいという乱暴なことをいう人までいます。

システムというものを考えた場合、このような言い方はおかしいと思います。会社の中のそれぞれの業務には、本来基本型というものがあります。

そして、その基本型に対して、各会社の特徴があり、その特徴を取捨選択してシステム化を図っていくべきであると思うのです。

昨年訪問した会社では、生産管理システムのソフトウエアにあわせる方向で導入が進められました。

この結果、決算月の資材部門の社員の方たちは、新しいシステムに対応するために一人当たり平均100時間の残業になったという、とんでもない状況を作り出してしまったのです。

それ以降、多少残業時間は減ったのですが、状況の改善されない状況が続いてしまい、結局古い生産管理システムの戻すことになったそうです。

これは、資材部門にとって大変な労力が必要になりましたし、ほかの部門で新システム導入による成果は無く、日常業務の作業量だけが増えたとの声が上がっているそうです。

率直に述べますと、大幅に費用が、増えただけです。つまり、人件費の増加であり、社員の士気にも大きな影響を与えます。

この会社での生産管理システムの導入は、システム部門が主体となって、ある会社のソフトウエア・パーケージをもとにカスタマイズ(修正)しているということです。

システム部門と資材部門を含めた生産部門では、生産管理ソフトウエアの導入についての何を、どのように打合せしたのかを聞きました。

答えは、システム部門が、単に各部門の部課長にシステムの説明をし、システムのあわない部分を開発するということだそうです。

これを聞いたときに、このシステム導入は、エンドレスだな(終わりがない)と思いました。

それは、まず一つの部門が進めるべきことではなく、生産各部門を主体にしたプロジェクトにはなっていないことがあります。

そして、生産管理システムを構築する場合、その基本型があります。

その基本型や全体像(全体構想)の説明がなされいないことににあります。その全体像に向けて進められなければならないのです。

もし、生産そのものの仕組みを理解していないで、生産情報の仕組みを作ろうしたならばどうなるのでしょう。

多くのITコーディネータの方やシステム開発をされている方は、まずそんなことはないよとおっしゃるかもしれません。しかし、それが、現実に起きています。

コンピュータは、システム部門だけのツールではありません。会社の効率を高める上で会社としての重要なツールです。

経営幹部も含め、会社全体の効率を高めるためのツールであるという認識をした上で、システム導入を進めることが大切ではないでしょうか。

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