以前に指導させていただいた会社の社長さんとお会いしましたときに、最近利益率が下がっていて、何とかコストダウンを図りたい。
そのために作った製品の採算性が、どうだったかを社員に知らせ、コスト意識を高めるたいという相談を受けました。
この会社は、従業員60人ほどの試作品を製作する会社で、試作品メーカーとしては、規模的に中堅クラスになります。
この会社の経営管理面は、非常に整備されており、日々の営業パーソンの受注状況は、翌朝にはわかるようになっています。
また、工場の生産管理は、納期をもとに受注品が今どの工程にあるのか、いつまでの完成できるかなどがすぐに分かり、受注した製品を作るために何時間費やしたのかを納品後2、3日以内に把握できるようになっています。
つまり、受注金額に対して発生した実際原価が、2〜3日以内迅速に捉まえることができるシステムになっているのです。
それでも低下する利益率について、対策が打てないということでした。
生産管理システムは、生産活動の情報の流れを捉まえるものです。
そして、その生産活動をお金に置き換えて捉まえるのが原価管理です。
その原価管理システムによって、受注した製品の採算性が分かるわけですが、そのどこに問題があるのでしょうか。
これは、中小企業向け生産管理ソフトを提供するサプライヤーの原価管理システムの紹介にあるように思います。
それは、多くの中小企業向け生産管理ソフトでは、Plan(計画)−Do(実施)−See(統制)の重要性を述べるのですが、原価管理となると過去の実績時間との比較を提案しています。
しかし、過去の実績実績は、機械のトラブルや作業の停滞、不良品の発生などそのときの事情を含んでいます。
また、作業の変更や改善などをしたならば、比較できるものになりません。
このように過去の実績時間と現状の時間との比較では、信頼性が乏しく、効果を上げることは難しいのではないでしょうか。
つまり、過去の実績ではなく、「このような作業手順で行えば、これだけの時間でできるという標準時間」を設定し、用いるべきです。
この標準時間と現状の時間を比較すれば、作業の比較からムダな作業が明らかになって、問題点もはっきりと見えてきます。
そして、問題点を解決していくことによって、採算性の確保が可能になり、収益性を高めていけるのです。
このように原価管理でも、基本を忘れないことが肝心ではないでしょうか。
製品のコストダウンをどのように進めたらよいのか企業の第一の目的は、利益の獲得にあります。その経営活動は、結果として数字で表れされます。企業が、維持存続し、成長していくためには、この数字のからくりを理解し、経済性を高めることが大切です。それは、ただ数字を眺めているだけでは分かりません。やはり、経営活 …
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