先日、知り合いの加工屋の社長さんと一人前の職工さんを育てるためにどのような手順で仕事を教えているのかを尋ねたときのことです。
この会社では、旋盤にしても、フライス盤にしても、40代の腕のいい職人さんが揃っており、30代、20代の職工と各年代ごとに職工さんがいます。
そして今回、新たに7年ほどのマシニングセンタの経験を持つ職工さんを採用することになっていました。
この職工さんは、近くの工場(A社)で働いていたそうなのですが、その工場(A社)が、会社を閉めることになり、そのA社の社長さんから紹介だそうです。
会社を閉める少し前までA社の受注状況は好調で、2交代で注文をこなしていました。このため、まわりの会社からは、あふれるような仕事量を持っていて、好調だと羨ましがられていたのです。
それが、ある日突然に会社を閉めることになったのです。
20人弱の従業員は、新たな就職先を捜さなければなりません。また、取引先である親会社では、代わりに部品を製作する会社を捜さすことになります。
周囲の会社では、あんなに仕事があって忙しいかった会社が、何故閉めることになってしまったのだろうと困惑していました。
その原因を調べると、受注する際の値決めにありました。
A社では、親会社がある一定額以上の発注額を出してもらえる代わりに、親会社からの指値で決まっていたのです。
それが、近年の原材料の高騰や原油価格の上昇によって、採算性を悪化させているのに、親会社にまかせていたのです。
この結果、A社では、製品を作っても作っても赤字になってしまう悪循環に陥ってしまったのです。
本来、受注に当たっての値決めは、最も重要なことであるはずなのです。それを他人(親会社)まかせにした結果です。
これは、経営者の責任です。
自社で値決めをしないで、注文が入ってくるということは、非常に楽なような気がします。
しかし、親会社からすれば、相手に儲けがあるかどうかなど関係ありません。とにかく安く買いたいのが本音です。
自社の採算性をしっかりと把握し、採算の悪い注文は止めていくことが必要です。
値決めは、会社の生命線であることを再認識してほしいと思います。
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