サバイバル型経営計画の立て方?（株式会社　ＲＥ

サバイバル型経営計画の立て方?

ＳＷＯＴ分析から中経・単年度経計、実行確認までの１１のプロ …

【サバイバル型経営計画の立て方①】

厳しい経済状況が続いています。
目の前の事だけで、とても経営計画なんて・・・・と言われます。
しかし、厳しい時だからこそ、しっかりとした計画や戦略を立て、そして実行を
しなければならないと考えます。
既に計画を立てられた企業には、見直しのきっかけに、そんなところまで手も
気持ちも回らないと言われる企業には、経営計画について考えてもらうきっかけになればとおもいます。

今年は「普通の年」ではありません。
経営環境を考えるなら、「サバイバル型の経営計画書」が必要な年と言える
でしょう。

私達は、過去の複数回の不景気を通じて、中小企業の復活を目指した
「リストラ型経営計画書」を多く支援してきました。
しかし今回は敢えて「生き残りをかけて＝サバイバル」という表現をとらせて
頂いております。
それは、以前のように、「水ぶくれ体質」の企業なら、リストラ策はそれなりの
効果がありましたが、今回は多くの中小企業でも、ムダなコスト体質は少ない
状況下での不況です。
従って、「サバイバル＝生き残り」をかけて、事業戦略の見直しを根本から
図る事が重要になります。
この「サバイバル型経営計画書」とは、２０１０年までの２カ年の経営計画を
作成しますが、下記の６点がポイントです。

　①　全世界的な景気悪化による混迷と不透明さ、底なし不況の恐怖感から
　　　　「打つ手」が見えない中小企業の「方針と戦略を整理する」仕組みで
　　　　ある。

　②　「思い込み」・「自信欠如」・「将来不安」の経営者マインドは、多角的に
　　　　分析せず「偏った見方」から生まれる事が多い。多角的な現状認識
　　　　を優先する。

　③　「どのような状況にあろうとも、厳しい現実の裏には、必ず新たなビジ
　　　　ネスの芽生えや隙間がある」事をベースに、方向性を見出す。

　④　導き出された方針や戦略の実行結果は、売上・利益・経費に直接的に
　　　　反映されなければならない。（対策と数値の一致理論）

　⑤　方針・戦略・数値目標が決まれば、後はとにかく実行力を上げる為の
　　　　「詳細な段取り」・「行動計画」を５Ｗ２Ｈで決める。

　⑥　決められた５Ｗ２Ｈは、会議を通じて確実に、チェック＆コントロール
　　　　していく。

今回のサバイバル型経営計画は、「ＳＷＯＴ分析から、中経・単年度経計、
実行確認までの１１のプロセスの流れ」に沿って、具体策と突破口作戦を
立案し、そして行動せざる得ない状況を作ります。
それでは、この１１のステップの内、最初のＳＷＯＴ分析の「機会」・「脅威」の
整理について、今回はご紹介します。

ＳＷＯＴ分析による戦略立案は、非常に有効な方法です。私達も昨年だけで
１０社の企業の中期経営計画作成の為に、クライアントと共同でＳＷＯＴ分析
を行いましたが、机上論ではない戦略の絞込みが出来、厳しい経営環境の
中でも、方向性を見出す事が出来ています。

ただ、間違ったＳＷＯＴ分析では、正直効果はありません。
一般に間違えやすい指導を受けると、単に「強み」・「弱み」・「機会」・「脅威」
を並べれば、ＳＷＯＴ分析だと思っている方がいますが、それでは戦略の絞り
込みまでは行きません。

サバイバル型経営計画のＳＷＯＴ分析は、「機会」・「脅威」・「強み」・「弱み」
のそれぞれクロスする箇所から、具体的な戦略や改善策を導き出します。
この導き出しが上手く行く秘訣は、一にもニにもコンサルタントのコーディネー
ト次第といえます。
特に、レベルがあまり高くない中小零細企業では、「自分たちで考えろ」と、
相手に任せるだけでは、ほとんど出来上がりません。コンサルタントも一緒に
考える事が大変重要になります。

また、ＳＷＯＴ分析の順番も重要です。
一般には、その文字通り「Ｓ＝強み」・「Ｗ＝弱み」・「Ｏ＝機会」・「Ｔ＝脅威」の
順番だと思っている指導者がいますが、それでは環境分析がしにくくなりま
す。そこで、最初に外部要因の分析（経営環境分析）に時間を掛けて行いま
す。

まず、「外部要因の分析（経営環境分析）・・・・「機会」・「脅威」の整理」です。
これは最初に「環境を俯瞰する事で現実を直視する為」に行います。

「機会」では、「見通しの明るい分野を多面的分析」します。特に下記のような
点を整理します。
　（１）　今後業界の需要や市場はどのように動いていくのか
　（２）　購買ルートの変化、顧客ニーズの変化、顧客の付加価値への要望は
　　　　　どう変わるのか
　（３）　技術の発展で、どのような展開が予想されるのか
　（４）　既存商材の代替品として市場を席捲しそうなものは何か
　（５）　自社の今の位置づけで、更に努力すればどんな追い風が来る可能性
　　　　　があるか
　（６）　行政の規制緩和と規制強化、コンプライアンス（法令順守）は、どう
　　　　　プラスに作用するか
　（７）　どの業界・どういう顧客に今後ニーズが高まるか
　（８）　自社の商材や顧客層のフィールドに対して、どの業界・どういう顧客
　　　　　から、今後ニーズが高まるか
　（９）　市場の状況が変わる事で得をする業界・分野はどこか（今起こってい
　　　　　る事を裏から見ると、どんなマーケットが見えてくるか）

「脅威」では、下記のようなポイントを整理します。
　（１）　今後、業界の需要や市場はどのように動いていくのか
　（２）　景気の先行き不安やコスト圧力は、どうプレッシャーとなり、悪影響
　　　　　するか
　（３）　競合状況の拡大、顧客の業者選別の多様化、価格要求、原材料コス
　　　　　トはどのようになるか
　（４）　既存の顧客自体は、どのようなマイナス作用があるか
　（５）　行政の規制緩和・規制強化、コンプライアンス（法令順守）は、どう
　　　　　マイナスに作用するか
　（６）　今後のグローバル競争の中で、市場競合はどう変化するか（また、自
　　　　　社の地域市場への影響はどうなるか）

上記の「機会」・「脅威」のポイントは、コンサルタントがクライアントに対して
質問を投げかけるものです。
この質問に対して、それぞれの回答を整理してまとめ、それとプロジェクター
や紙に書き出して、皆に状況把握の共有化を促します。
特に「機会」では、多くが業績不振にあえいでいる間に、必ず儲かっている
企業があるので、その戦略を考えさせる事から、突破口が見えてきます。

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