◆ 会計事務所職員による効果的な会議指導 ◆
会計事務所職員に、その気さえあれば顧問先に提案できる事に「会議指導」があります。
「会議指導」とは、顧問先の会議に実際に参加して、意見を述べたり、司会進行をしたり、書記をしたりする事です。
私達が、会計事務所での生産性アップや顧問先満足につながる付加価値提案の教育を進める時に、この「会議指導」の仕方を徹底する事が多くあります。
しかし、経験不足なのか苦手意識なのか、または時間がないからなのか、理由はたくさんあるでしょうが、積極的に「会議指導」に取り組もうとする職員は、それほど多いとは言えません。
でも、新たな能力開発につながる事やリスクある事にもチャレンジしないと、業界で生き延びていくのは、今後益々厳しくなる事は容易に予想されます。
実は昨今のように、経営環境が大きな変化をしている時には、会計事務所職員が「会議指導」を行うのはチャンスであり、また大きなメリットがあります。
では、会計事務所職員が「会議指導」を行うと、どんなメリットがあるのでしょうか?いくつかあげてみたいと思います。
1)通常の監査や試算表、決算書作成では見えない顧問先の実情が見えてくる
(何に困って、経営者が何をしようとしているのか、会議を通じて実態
として見えてくる)
2)多くの中小零細企業の経営者は、同族であれ他人であれ、まともな会議が
し易いと考えている。
3)事務所にとっても、顧問先の付加価値提案となり、若干でも会議指導費用が
いただければ、生産性アップになる。
4)毎年同じことの繰り返しで、マンネリになりかねない職員の業務に新鮮さと
緊張感を生み、活性化につながる。
5)事後処理の財務会計から、「攻めの管理会計」のお手伝いができ、仕事への
使命感・やりがいが生まれる。
6)会議前、経営者との打ち合わせを行う事で、コミュニケーションが良くなり
本来の業務にも良い影響がある。
7)経営者だけでなく、会議に参加する顧問先の役員や社員から、尊敬と信頼
を得られる。
等々、他にもたくさんのメリットがあります。
確かに裏から見れば、職員が心配しているリスクもあるのでしょうが、リスクばかり考えていては、少しも前には進めませんし、自身の活性化にもなりません。
特に中堅以上の職員は、この会議指導を1社以上は経験してもらい、業務に幅を持ってもらいたいものです。
ところで、職員が「会議指導」を顧問先経営者に提案すれば、確かに喜ばれるでしょうが、それはオブザーバーとしての顧問料内でのサービスなのか、別途費用を頂くのかで、この会議指導の付加価値は変わってきます。
ここで大事なのは、会議指導の価値を経営者に認めてもらう事です。
単に会議に参加するだけなら、経営者は費用を払おうという気にはなりません。かといって、現実とかけ離れた総論の意見を職員に言われても、無意味な時間となります。
会計事務所職員が参加する「会議指導」は、その名の如く「会議を指導する」事です。
もっと言えば、会議を円滑化させる為に機能する事です。
ですから、業界固有の専門知識は必要ありません。必要なのは、司会者としての議事進行と、書記として、具体的な決定事項を書き出す事だけです。
私達は、この会議指導の仕方を「調整型会議指導」と呼んでいます。
「調整型会議指導」は、第3者的な立場で、具体的な決定事項を導くだけの事です。
もし、テクニカルな事を言うなら、どの会議でもパソコンとプロジェクターを持って行って、その場で議事録や決定事項を入力し、参加者に都度確認させるのです。これが出来れば、会議生産性はかなり高くなるでしょう。
実はこの方式は、私達コンサルタントの世界でも、駆け出しの若手コンサルタント見習いでも出来る指導方法です。決して専門知識や固有知識も必要なく、ただ粛々と議事録を取る事です。
時折、「それは決定事項でいいですか?」と問いただし、経営者が「そうだ」と言えば、「では、誰がいつまでに行うかを決めて下さい」と決定事項を聞き出し、そのままフォームに入力する。そして最後に、「今日の決定事項を復唱します」と言って、再度出席者に確認を取るだけの事です。
「そんな簡単な進め方で、『会議指導』なんか出来るのか?」と言われる方もいますが、安心して取り組んで下さい。
中小零細企業の経営者と言う人は、「みんなが決めた事」を大事にしたいので、決定事項の具体化や公開は、是非ともやりたい事なのです。
その証左に、私達も、私達が教育している会計事務所の職員も、このやり方で会議指導の生産性を上げています。
先ずは、トライする事が肝要です。
【会計事務所職員新入教育マニュアルCD】のご案内 コミュニケーションの取り方が下手で、どの顧問先でも不評をかってしまう職員がいて困っている。 何回も同じような基本動作のミスがある。特に報告連絡が出来ておらず、事前の確認も徹底されていない。 職員が …
最近投稿された他のコラム
ビジネスコラム提供者情報
- コンサルタント:経営
- 株式会社 RE−経営
- 熊本県熊本市中央区平成3丁目9番20号2F
◆代表者のプロフィール 1962年大分県生まれ。熊本商科大学(現熊本学園大学)経済学部卒業。 大手経営コンサルタント会社へ入社。15年後、取締役部長を最後に独立、同時に経営再構築・中期経営戦略を専門に行う、(有)RE−経営を設立 …
経営管理
【有給休暇と残業の関係】有給休暇を取得した社員に、必要以上に多くの残業代を支払っている会社を良く見かけます。そ …
メンタルヘルス制度対応のためのセミナー 〜ストレスチェック制度対応の失敗防止対策〜 【セミナー情報】 日 …
商売で失敗して、借金を抱えたいですか??? 商売にはタシ算だけでなく、ヒキ算もあります。 それが、ドンブリ経営 …
債権回収にとって重要なポイントとは?早期の対処、一歩進んだ行動の実践事業を運営していると避けては通れない未 …
企業再生・再建
債権回収にとって重要なポイントとは?早期の対処、一歩進んだ行動の実践事業を運営していると避けては通れない未 …
現代の花咲きじいさんか?[会社は日々成長してこそ、社会に貢献できる<1>]枯れ木にハイを振りかけて花を咲か …
桑澤会計のメールニュース/第7号(2012年7月1日)皆様 今年も早後半に入りました。消費税改正法は衆議院を通過 …
悩めるパチンコホール経営者の皆様へ初めまして。公認会計士税理士の海津(かいづ)と申します。後継者がいない、超巨 …
会員メニュー
会員限定のメニューです
気になったページのMyリストへの登録や、経営に役立つ情報メルマガの管理など、さまざまな便利機能がご利用いただけます