経営革新、多くの企業が何らかの形で常に切磋琢磨を繰り返しています。新商品の開発、新サービスの開発等、他社とは違うもの、できればオンリーワンになる商品やサービスを生み出し、価格競争に巻き込まれることなく、安定した経営をしたい。多くの企業経営者や、従業員が願うことです。
*******経営革新への取組状況は*******
では、どの程度の割合の企業が、経営革新に取り組んでいるのでしょうか?
「経営革新」の言葉の定義もあり、簡単にその割合を把握することは難しいですが、一つの指標としては研究開発に取組む企業比率、他には中小企業新事業活動促進法に基づき各都道府県知事が承認する中小企業向け支援制度「経営革新計画」認定企業比率を取り上げることができます。
2009年中小企業白書によれば研究開発をする中小企業比率は全産業平均で1.4%程度であり、比率の高い業種としては情報通信業の6.9%、製造業の5.4%があり、逆に低い業種としては小売業、不動産業、飲食店・宿泊業の0.4%があります。
一方、中小企業の経営革新を支援する制度である「経営革新計画」認定企業は、旧法「中小企業経営革新支援法」による認定が平成11年に始まり、それ以降の累積承認件数は平成22年3月末で40,979件、11年間で、個人企業を含む中小企業約400万社の1%程度となります。
どうやらこれらの指標から想定できるのは研究開発等の「経営革新」に取組む中小企業比率は1~2%程度との数値です。何やら随分と低い比率の感がします。
*******ゆでガエル寓話か?*******
先ほど研究開発をする企業比率が低い業種として取り上げた小売業、不動産業、飲食店・宿泊業でも、この頃では激化する競争への対応策として多くの新しい試みに取組んでいます。単に研究開発をするのは新商品を作り出す製造業の特権ではありません。小売業の中でも、多くの実験的な業務展開は可能です。試行錯誤を繰り返すことにより、新サービスやその店独自の新商品、新しい販売方法や独自性のある商品構成・サービスを開拓できます。試行錯誤には失敗は付きもの、失敗の被害が最小になるような試行錯誤により新事業の模索をすることが必要です。変化しないことが大きなリスクです。ベイトソンの「ゆでガエル寓話」にならないよう状況変化を敏感に捉え、その変化に適応する能力を付けることが求められます。
*******資金調達条件の改善策に*******
中小企業新事業活動促進法では「経営革新」を「事業者が新事業活動を行うことにより、その経営の相当程度の向上を図ること」と定義しています。即ち、①市場に対しての新事業活動であることと(自社の中の新事業ではだめです)、②3年、4年または5年後の計画終了時に、付加価値額や経常利益の一定値以上の伸びが期待できることが条件です。
新事業活動としては、①新商品の開発又は生産、②新役務の開発又は提供、③商品の新たな生産又は販売の方式の導入、④役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動
ここで云う新商品とは、特許が取れるほどの新規性は要求していません。基本的にはその市場である程度の新規性が認められることで可能です。新事業を開発すると同時に、その成果を十分に活用するための対策「経営革新計画」認定企業に対する資金調達条件の改善等が重要です。
「今、こういう状態なんだけど、どうすればいいかな?」「こういうことで悩んでいるんだけど、助けて欲しい」など、弊社へのご相談や「この商品はどういう内容なの?」「これについて聞きたいんだけど」など弊社や、弊社の商品サービスについてのお問合せがございましたらお気軽に、ご連絡いただけますようお願いいたしま …
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