「赤字が何期続いたら、会社は危ないですか」という質問を時々受ける。筆者は、「会社の規模や赤字額にもよりますが、一般的に3〜5期で赤字累計が純資産を超えたら危ないですね」と回答する。
経験上、ずっと黒字が続いてきた会社が一旦赤字に陥ると、1期だけで回復することが難しい。初めての赤字に驚いて、その赤字幅を小さくする策を講じる為かもしれない。例えば、減価償却の計上を見送ったり、不良債権の処理等を少な目にしたりする。結局、次期以降に赤字要因を持ち越して、何期か赤字が続いてしまう。中国古典の『礼記』(四書五経のうち五経の一つ)に、「3年分の備蓄の無い国は,国とは言えない」という言葉がある。本当は9年分以上の備蓄が望ましいという。会社にも、最低でも3〜5年分の蓄えが必要である。
「蓄え」とは、次のような資源である。
○換金の容易な現預金を一定割合持つ
○借入が有利となる担保力のある不動産や健全な在庫商品
○資産計上型の生命保険(解約返戻金が保険積立金を上回ることがよくある)
○経営者の役員報酬を一部貯めておいて、会社に貸し付けたり、増資をしたりする
○銀行や金融公庫とのコミュニケーションをとって、実績と信用を積んでおく。
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