新しいものが生み出されるとき、廃棄物も生み出している
近年の環境意識の高まりは、多くの企業が、環境への影響を持続的に改善していくことを目指した環境マネジメントシステムISO14000の取得し、その活動に積極的に取り組んでいます。
環境ということで、製品を作っている工場に目を移してみましょう。
工場では、製品を作るとともにその際に不必要になる廃棄物も生み出しています。
たとえば、金属加工では、製品や部品が出来上がるとともに、切粉や端材などが出ています。
これらは、産業廃棄物業者によって回収され、材料として再利用されることになります。これに対して、再利用されることなく、廃棄されるものがあります。
その代表的なものが、廃油や廃液です(水と油分の混ざったもの)。
機械加工で使われる切削油は、近年水溶性切削油(水と切削油の混合物)が主流で使われるようになっています。この水溶性切削油は、水10:切削油1のように希釈して使用しますが、ほとんどが水です。
しかし、油が含まれているため、産業廃棄物として処理され、焼却されるます。
このように製品を作り出す過程で、廃油や廃液などの廃棄物を生み出しています。
そして、環境への配慮を考えるのであれば、それらの廃棄物をたんに出してしまうのではなく、出ないあるいは少なくするような仕組み作りが求められます。
これが、環境循環型社会へとゼロエミッション活動が推進される理由であり、廃棄物についての3R(リデューズ、リユース、リサイクル)が、積極的に進められてきているわけでもあります。
廃油・廃液の減量化の意識を持とう
これまで述べましたように付加価値を生む製品を作り出す一方で、廃油・廃液は、その生産量に応じて排出される廃棄物があります。
とくに切削油廃液は、製造企業からすれば、お金を払って引き取ってもらっているので、そのための処理費用が発生しています。
一方、産業廃棄物業者では、切削油の廃液はリサイクルが難しいことや価格競争が激しく採算性に合わないことなどから、積極的に取り組みたいものではありません。
そして、環境対策の中で、もっとも取り残されやすいのがこの廃油・廃液です。
廃油・廃液は、大手企業のように大量に発生量していれば、大掛かりな装置を導入しても採算性に見合うのですが、中小企業の場合には、資金や発生量の少ないこともあって、産業廃棄物業者に依頼したほうが手間が無く、効率がよいと判断されてきました。
しかし、環境意識の高まりは、排出する廃油・廃液が多い少ないではなく、減量化を進めていくことの必要性を求めています。
それは、たんに廃油・廃液を排出し、産業廃棄物業者に委託し、焼却するということではなく、採算性の取れる減量化への検討が求められているのです。
以下に、廃油・廃液の減量化を進めるにあたって、水と油などを分離・抽出する具体的な処理について、私がクライアントとともに検討いたしました方法を紹介します。
1.凝集剤による分離処理
2.フィルターによる分離処理
3.UF膜による分離処理
4.油水分離剤による分離処理
5.特殊な油水分離装置による分離処理
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