新製品開発の失敗に学ぶ1

失敗しない製品開発の進め方

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新製品を開発することは、新たな収入源を生み出すことに他なりません。
現在売上が順調に伸びて、利益が出ていようとも、将来も継続して利益を確保できることを保証しているわけではありません。
まず、新製品の開発を行なっている設計部門は、その重要な役割を担っていることを認識することが大切でしょう。

開発型のある企業の新製品の開発を支援したときのことです。
その製品は、従来と異なる材料を用い、高寿命とリサイクル性が高いことなどから、画期的であると捉えられていました。
また、行政からもそのような評価をいただいておりました。

当初は、その製品について、理論的な説明もしっかりとしており、試作品に関しても、それなりの性能が出ているように見えました。

しかし、量産化の検討を進める段階の途中で、試作品の一部データ測定ができないという問題が発生しました。
それは、理論的な面での重要な裏づけの一つでもありました。

このような状況の中で、弊社から社長に対して、顧客になり得る可能性があり、開発している製品の分野に詳しい大手企業を紹介し、打合せを持つことができました。
その企業からは、打合せの中で、製品の理論的な部分での課題の指摘があり、試作品のデータを測定していただけることになりました。

しかし、社長は、理論的な指摘には納得できず、根拠をない反論を行い、結局は、相互にデータを取って、データに基づく議論をしましょうということになったのです。

その後、社長は、何とかデータの測定しようと検討し、そのための試作品を作ろうとしていますが、半年以上経ったいまでも作ることができません。

そして、試作品の測定をしていただいた企業では、データとともに課題として指摘した点についての理論的な証明もなされ、従来社長が公表していた性能を満たしていないことがわかりました。

新製品の開発では、理論とその検証が大切です。
今回のケースでは、まず社長が、外部の意見を聞こうとしないところに問題があります。

試作品の測定を行なった大手企業は、その分野に多くの社員が所属し、研究や開発を行なっています。当然、それだけの技術やノウハウがしっかりと構築されています。
また、測定や検査の設備なども充実していますから、測定できないと考えられることに対しても様々な対応を知っています。

これらの意見を無視してしまっては、開発費用と開発期間が膨らむだけになってしまうのではないでしょうか。

次回以降では、この開発ステップでの問題点を述べたいと思います。

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