前回について、新製品開発の失敗を考えていきます。
大手企業の新製品開発では、少なくとも研究開発と設計の2つの部門に分かれており、その役割を担っています。
研究開発では、材料や構造などに関する研究ということで、その理論や裏づけになる実験、検証によるデータの整備などが行なわれています。
そして、設計では、研究開発部門で整理されたデータを活用しながら、市場に提供する新たな製品を生み出すことが進められることになります。
さらに、設計段階では、その製品を開発するするステップが細分化され、各ステップでのチェックが確立されています。
しかし、中小企業の新製品開発では、このような役割を分担するだけ多くの人材を抱えることが困難ですから、この2つを設計部門だけで担うことになります。
また、既存技術の組み合わせがほとんどであれば、研究開発にの専任者を設ける必要もないかもしれません。
ただ、研究開発および設計の2つの機能がなくなるということではありません。
前回紹介しました新製品の開発を進めている企業では、研究開発での理論的な説明がしっかりと確立できているようでしたが、実はそこの問題がありました。
それが、実際に製品を設計する段階で、試作品を製作し、実験データを測定したときに、問題としてクローズアップされたのです。
しかし、この会社の社長は、自身が開発者であることもあって、一時理論的に欠けているのではと疑問を持ちつつも、結局はうやむやにして、無視しましたのです。
これは、弊社から紹介をした大手企業が、理論的な課題をしたときに反発するとともに、実測による検証と理論的に解析が済んでいることを告げても、まったく同様でした。
開発者としてのプライドがあることも十分にわかりますが、課題を解決することに力を注ぐべきです。
この会社の製品開発は、自社だけでなく、試作品を製作するために多くの企業が協力し合って出来上がっています。
その多くの会社は、実際に生産が開始されて、十分な利益を確保できることを期待して、採算割れの状態で試作品を1年以上繰り返して作り続けています。
この製品は、その社長の会社一社だけのものではなく、協力してくれる会社を含めた問題であるのですが、それすら見えなくなっているようです。
中小企業の新製品開発では、研究開発と設計が一つの部門で進められていることがほとんどです。
そして、製品の設計段階で、基礎的な研究や構造に課題が発生することもあります。
その際に、一つ一つの課題を丁寧に解決してから、設計に入っていかないとエンドレスの設計活動になり、自社の開発費のムダであるとともに関係企業へも無用な費用を発生させていくことになるのではないでしょうか。
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