お蔵入り研究が大ヒットに（（有）関西中小企業研究所）

お蔵入り研究が大ヒットに

お蔵入り研究は宝の山！

この頃は多くのトイレがきれいになった。大阪に住んでいるが、主要な駅のトイレがリニューアルされ、最新式の無臭・自己洗浄式トイレが多くなった。

（株）TOTO 、この企業の技術によるところも少なくない。あのトイレ特有の匂いもないし、無水トイレも現れた。この企業のホームページを覗くと、ハイドロテクト（光触媒超親水性技術）の特許取得状況や本技術のライセンス方針が掲載されている。近年では、この光触媒技術はビル窓ガラスの防汚や室内の抗菌・消臭等、生活空間の中では、大活躍の万能機能を発揮している。

この主要原料である酸化チタンの光触媒機能は1967 年に東京大学大学院生であった藤嶋昭氏により発見された。当初の用途としては水を分解し水素を作り出す技術として研究が進められたが、水素発生の効率が悪く、結果的にこの目的では実用化できなかった。

　その後、この触媒に有機物を完全分解する機能が発見され、この機能に関して、（株）TOTO との共同研究により、1995 年に「超親水性機能」が発見された。紫外線を当てると酸化チタン表面が超親水性となり、汚れを容易に洗い流せたり、ガラスに曇りができない等の実用的効果が大きい機能素材となった。（㈱TOTO ホームページ、イノベーション創出のための取り組み事例集（経済産業省）より）

本事例でも見るように公的研究機関や大学等で開発・発見された技術シーズは、初期目的では期待される効果が発揮できず、お蔵入りとなっているケースも少なくない。実業的な機能を求める応用研究の俟たれる分野だ。近年では、そのような技術が多く公開され、入手も容易なので、新規開発のヒントを得たり、開発の迅速化を図る目的で、それら技術の導入・共同研究を検討することも新商品・新技術開発の主要な手法となる。

（独）工業所有権情報・研修館が運営する「開放特許情報データベース」は、43,000 件近くの解放された特許が登録されている。

　上手く利用できれば大きな宝の山にも変身できる存在だ。

商品・技術開発力の強化ポイントをアドバイス

新商品新技術開発の際に、どのような手順で進めていますか？効果的な新商品新技術は、準備無くしては生まれません。全てのスポーツでも同じです。日々のトレーニングなくして、強豪が集まる試合に勝つことはできません。効果的なトレーニングのためには、トレーニング法やスケジュールに磨きをかけることが重要で、伝統校 …