【定年退職について】
過去数回に渡りまして、採用に絡んだお話をしてきました。採用を会社への入り口と考えますと、会社からの出口にあたりますのが退職です。そこで、今回は退職についてお話をしたいと思います。
退職と言いますと、あまり良くないイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、社員が長年勤続した上での定年退職や、社員が新しい道に進むための円満退職など、良い形での退職が会社としても理想的です。今回はこの良い退職のケースのうち、定年退職について見ていきましょう。
定年退職で気をつけて欲しい部分として、定年とする年齢があります。中小企業の中には、いまだに60歳定年としている会社もあります。現在では、基本的に定年を65歳としなければならないので、まずは60歳定年としている会社は何らかの措置が必要です。(正確に言いますと平成25年3月末までは64歳定年は認められています)
ここで言う改善として、定年を65歳に上げる以外に、再雇用制度を導入するという方法があります。簡単に言いますと、例えば60歳で社員を定年退職した後に、その社員を再度雇用するという形が、再雇用制度です。なお再雇用制度を導入する場合は、原則として希望者全員を対象としなければなりません。(希望者全員を対象としない再雇用制度を導入することもある一定の条件で可能ですが今回は省略します)
さてここで重要なポイントをお伝えします。定年を引き上げる場合でも、再雇用制度を導入する場合でも、労働時間を1日8時間(1週間40時間)といった常勤にする必要はありません。つまり、1日4時間の勤務や、週3日の勤務でも、勤務を続けてさえいれば構わないのです。
上記に書いたようなフルタイムの勤務でなくても良いということは、会社と社員の双方にメリットがあります。会社にとっては賃金や労働時間を必要以上に増やすことなく雇用を継続することが出来ますし、社員にとっても健康面・体力面と相談しながら勤務を続けることが出来るのです。
65歳定年を全社員に当てはめ、本来は退職するはずであったベテラン社員を全員今までと同条件で雇用できる会社などなかなかありません。そこで考え方を変え、営業職・事務職などいずれの職種であっても、ベテラン社員の仕事のノウハウや今まで築いたネットワークを短時間であっても自社に活かしていく、という方向にしていくことがこれからの会社には求められてきます。
良い人材を採用出来る会社、活躍している現役社員に残ってもらえる会社になるためにも、まずは1年でも長く働ける会社、引退前のベテラン社員が何か少しでも活躍出来る会社を、皆様には創り上げて頂きたいと考えております。
ビジネスコラム提供者情報
- コンサルタント:経営
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