第七回:現状分析

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第七回目は現状分析について紹介をします。

第三回から第六回まではありたい姿を明確にする上で、外部環境分析や内部環境分析、その具体的な分析手法としてSWOT分析やクロス分析、それらを絡めたBSC分析を説明してきましたが、今回はありたい姿を導く中で現在の実態がどのようになっているのかを把握するフェーズが現状分析になります。

現在の管理会計の仕組みがどのようになっているのか、管理会計は経営にとってどのような働きをしているのか、どのような意思決定支援をしているのか、そのための根幹である業務ルールは、業務プロセスはどのようになっているのか、どのような組織が運営しているのか、情報システムはどのような仕組みでサポートをしているのか、これらの仕組みの中でどんな課題があるのかを明確にする必要があります。

管理会計の代表的なものに予算と実績の管理、その中でも損益管理に絞って展開をしてみたいと思います。結局、営利組織である会社は儲かっているか、儲かっていないかが究極の目的だと考えます。儲かっていないのは何故か、何が問題で儲けることができないのか、儲けていくためには何らかの指標(KPI:Key Performance Indicator)が必要です。

 損益予算に関しては実績との対比が重要であり、どのくらいGAPがあるのか、どのレベルのセグメントで管理できているかの概念で考えてみたいと思います。会社単位、会社も単体もあれば連結もあります。会社の中には事業があります。事業での損益予算と実績の対比ができているか、さらに分解をしていくと事業を構成する製品やサービスがあります。製品も、もう少し上の上位概念として製品グループであったり、ジャンルであったりします。さらにいろいろな視点での切り口があります。儲かっている顧客、儲かっている地域、儲かっている営業マン、そこにはどんな違いがあるかをきちんと分析し、問題を明らかにして経営資源を有効に活用することが大事です。

 根幹である業務、組織、情報システムに関しても簡単ですが説明をします。そして何よりも大事なのは会社としての数値に関する管理方針です。

管理会計の損益予算に関して会社としてのどのセグメントまで管理をするのか、何故そこまでのセグメントを管理するのか、何故そこまでのセグメントで良しとしているのかを明らかにする必要があります。細かく管理すれば良い訳ではありません。そこには、やはり投資対効果、経営そのものを強固な体質にしていく経営者の思いが必要になります。

 業務に関しては、どのような業務プロセスがあり、そこにはどんな業務ルールがあり、どんな運用をしているのか、外部環境や内部環境の変化によってどのくらい柔軟に対応ができるのか、迅速な意思決定支援ができているのかがポイントになります。

 組織に関してはどうでしょうか。どんな組織がどんな考え方でどんな方法で管理会計の損益予算を管理するのか、期初の計画はどのように立てるのか、中期計画との関係はどのようになっているのか、ゼロベースで考える会社もあるでしょう、中期計画に基づいて計画を立案する会社もあるでしょう。中期計画も作ったままでは機能しなくなります。毎年外部環境や内部環境分析の結果を踏まえて見直しをする必要があります。

 計画を作る過程は重要です。計画はスピードも精度も重要です。適当に立てた計画と実績を対比しても次の対策が立てられません。

 計画と実績とのGAPを分析することも大変重要です。何故、そのようなGAPが生じたのか計画が甘いとGAPを生じる確率が高くなります。そのGAPをどのように埋めるのか、GAPが生じる前にある程度の予測が大事になります。常に状況を判断してある程度悲観的にみておくことでGAPをある程度の大きさで食い止めることができます。状況を楽観的に考えておくと何か問題が発生したり状況が変化したときに対処ができなくなります。事業は生き物です。目先のことだけを考えても、うまく行ったとしても長続きは決してしません。ある程度のレンジで先をみた経営、管理をすべきです。

 これらを支える情報システムにも目を向けてみたいと思います。情報システムは重要なツールであり仕掛けです。いろいろな分析をするためには、非常に大量のデータを扱います。そのためにも情報システムは管理会計の仕組みを作るうえで必要不可欠なものです。それなのに管理会計の仕組みを情報システムで支援している会社は少ないものです。価値のある本当に利用できる情報システムを構築するには、先ほどから述べているように会社として経営としての方針、組織の在り方、業務ルールや業務プロセスを確立しなければ本当に利用できる情報システムは構築できません。

 このようにして、現在の実態を把握することは本当に重要なことです。ありたい姿を実現する前に、現状をきちんと分析し、自社の実力をきちんと推し量る必要があります。

 

 

第八回:全体評価と個別評価へ

 

 

以上

 

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