■2015年6月に策定された「日本再興戦略改訂版」を受けまして、経済産業省・厚生労働省・農林水産省の連携により、公的保険外サービスの優良事例を収集して活用促進を図るための「地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集(保険外サービス活用ガイドブック)」が2016年3月に作成されました。
現在、国の政策としまして、団塊の世代の方が75歳以上となる2025年を目途に、重度の要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい生活を送り続けることができるようにということで、住まい・医療・介護・生活支援・介護予防サービスが一体的に提供されるという「地域包括ケアシステム」 の構築が進められているわけですが、
- 現在の介護分野では、介護保険サービスと「自助」のサービスを合わせた提供が 必ずしも地域に根ざしておらず、高齢者の多様なニーズに対応しているとはいえ ないといった課題や介護保険外のサービスについての活用事例が少ないために、 事業者及び地方自治体の担当者も踏み込むことに躊躇しているといった課題が存在していること
- 今後の認知症の高齢者や単身の高齢世帯等の増加に伴い、 医療や介護サービス以外にも在宅での生活を継続するための日常的な生活支援等を必要とする高齢者の増加が見込まれること
等といった状況を踏まえて、2015年6月に策定された「日本再興戦略改訂版」におきまして、この「地域包括ケアシステム」を補完・充実させていくためにも、生活支援・介護予防サービス・介護食の分野において、事業者及び地方自治体が公的保険外サービスの創出にあたって参考とする「保険外サービス活用ガイドブック」を作成して地域に展開する,とされることになり、これを受けまして、2016年3月に「地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集(保険外サービス活用ガイドブック)が作成されました。
現在の介護保険サービスに加えて介護保険外サービスも今後益々重要視されることになると思いますが、既存の実施事業との組み合わせも含めて本格的に検討していくべき時期が来ているのかもしれません。
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ビジネスコラム提供者情報
- 士業:社会保険労務士
- 社会保険労務士・行政書士魚谷事務所
- 大阪府豊中市南桜塚4-1-6-110
魚谷 信博 1974年11月生まれ・大阪府出身 介護サービス事業の起業支援・運営支援を専門とする社会保険労務士・ 行政書士として大阪府・兵庫県・京都府・滋賀県を中心に活動。
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