ヒットの理由 何故?
世の中の技術や事業形態の変化が大きく、しかも早くなっています。
事業を継続するには、そのような変化に敏感に対応していくことも重要です。
本日は、日経ビジネス調査の2006年ヒット商品ランキングトップ商品から、そのヒット理由を考えてみます。
本調査の結果は、年代別に集計され、年代別の嗜好が把握できます。
20代から50代まで、各年代とも共通に圧倒的得点でトップになった商品があります。
世代を超えて、高い支持を得ることができた商品とは。
任天堂の「脳を鍛えるゲーム」。 何故?
何故、この商品がそれほどの支持を受けたのでしょうか?
東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修
◎「脳を鍛える大人のDSトレーニング」 2,800円
・本年3月初旬の週間ゲームソフト販売数ランキングでは24位、
・その時点での累計販売本数317万本
◎同シリーズ「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」 2,800円
・同週のゲームソフト販売数ランキングでは14位、
・その時点での累計販売本数412万本
【ユーザー視点(購入理由)】
1、どこでも、短い時間を、自分一人で楽しむことが可能な利便性
2、複数の人で、競争できるゲーム性
「あなたの「脳」は何歳ですか」 非常に分かりやすい副題です。これによりチャレンジ精神や他の人とのゲーム性が刺激されます。
3、脳の鍛錬と云う未知なことへの興味
筋力と同じく、使わないと急速に退化することが明らかになってきた今、鍛えることへの関心が高まっています。 話題への追随、鍛えなければ危ないと自覚する層の増大。
4、他のソフトの充実(ゲーム機を合わせて買う場合)
任天堂はDS用のソフトでも他社製品を認め、ソフトが充実しています。これが、
ゲーム機自体の累計販売台数1,450万台の一要因となっています。
しかも模造品が出回らないようなシステム作りもされています。
【企業視点(製品化理由)】
1、負の状況を脱却する
任天堂の岩田聡社長がニンテンドーDSの紹介で、「5歳から95歳まで楽しめる携帯ゲーム機」との表現をされています。従来のゲーム機が子供たちのもので、大人からは有害物との認識も多く、重度利用者の精神的な異常発作現象の報道がなされていた時代でした。
このような負の認識を払拭し、しかも市場を拡大できる対策が求められていました。
2、負を正に変えるには
ゲームの有害性を主張する急先鋒「教育ママ達」が、その必要性を認めるものを作り、提供するのが常道です。常識的には教育関連の環境であり、教材です。しかし、一般的に教材は面白みがありません。 殆ど興味を持たないままで、利用している状況です。
3、組み合わせによる新分野
教材や教授法に「勉学を促進させる面白み」があれば、それにより勉学する人の熱意は大きく変わります。 しかも、教育ママ達も監視し、制止する必要がありません。
従来のゲームを追い求める限りは、発想が難しかったと考えられますが、本業のゲームと教育との融合を図れば、楽しく勉学でき、しかも教育ママも推薦人に変貌します。
4、高齢者が興味を持つもの
近年の脳に関する研究は進みましたが、一般人にとっては全くの未知の領域。 従来、脳を鍛えるには問題を考え、計算や読書、文の作成、論理的思考等をすることが一般的で、他のスポーツトレーニングと同様、負担を感じるのが当たり前でした。
ゲームでできるとなると、本能的に集中力は高まります。
5、その信憑性
健康器具やこれら効果を訴求する商品の場合、その効果の信憑性に疑問を持ち、慎重になります。 しかも、認定機関の効能認定を必要とします。一方、本品はあくまでゲームソフト、遊びの道具です。 脳研究の第一人者と云われる方の監修となれば、付加的効能として、十分です。
任天堂 多くの方もご存知と思いますが、1889年に創業した「任天堂骨牌」での花札製造に始まり、1902年に日本最初のトランプ製造をした「花札、トランプ」企業です。
コンピュータ時代の到来と共に、ファミコンの製造を開始し、ファミコン全盛時代を築き上げ、現在は更に、その進化型ゲーム機を発表し続けています。
1977年 :家庭用ゲーム機「テレビゲーム15」を三菱電機と共同開発し、発売。
1983年 :家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」を発売。ファミコン時代を築く。
2004年12月2日 :携帯用ゲーム機「ニンテンドーDS」を発売、
本年1月末で累計販売台数1450万台。
2006年12月2日 :次世代ゲーム機「Will」を2万5千円で発売、
発売開始から2日間で、37万2千台を発売。
従業員数1,401名、平成19年3月期単独売上予想8,200億円、経常利益予想1,850億円
一人当たり、売上額が5.85億円、経常利益が1.32億円です。
普通の会社ではありません。
しかも、かなり速い速度で、次代を創造しています。
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