システム開発会社Ａ社では、改善・強化してほしい社員の能力を以下の８つのカテゴリーで
整理し、人事評価制度に反映させています。
�。弌雰弉茵法Х弉萠蓮▲織ぅ爛泪優献瓮鵐販蓮ΑΑ�
�■帖兵孫圈法Ф般浬萢�力、実行管理力、情報収集力・・・
��Ｃ（チェック）：リスク提言力、課題抽出力・・・
�ぃ繊焚�善）：合理化・標準化力、業務改善改革力・・・
�ゥ灰鵐札廛船絅▲襯好�ル：課題の創造、企画力、論理的思考力・・・
�Ε劵紂璽泪鵐好�ル：部下育成力、コミュニケーション力、リーダーシップ力・・・
�Д謄�ニカルスキル：専門知識・技術・ノウハウの啓発力・・・
�╋δ魅好�ル（態度・マインド）：責任感、規律性、積極性、協調性・・・
� 銑い裡瓦弔離�テゴリーは「職務の遂行に必要な能力」です。
各カテゴリーは、仕事の効率・効果性や正しい進め方・ノウハウなどを視点にして複数個の
能力項目を整理しています。
また、�ァ銑┐裡瓦弔離�テゴリーは「人に帰属する能力」です。
各カテゴリーは、人が保有してほしい能力そのもの（意識・態度などの情意的なものも含みます）
を視点に複数個の能力項目を整理しています。
もちろん、“職務”と“人” というように明確に区分できない能力も多々ありますので、
考え方として理解して下さい。
ちなみに、このような職務と人の能力は、
→→→
↑ ↓
↑ 人の能力の活用
↑ ↓
↑ 職務(仕事)の能力の向上
↑ ↓
↑ 人の能力の向上
↑ ↓
←←←
といったサイクルがあり、� 銑┐離�テゴリーはお互い関連しあっています（もちろん、全ての
カテゴリーの全ての能力はお互い関連しあっています）。
そして、これらの能力により昇給・賞与・昇格（降格）など、社員の処遇が決定されます。
≪昇給・賞与の評価として活用する「能力」とは≫
昇給・賞与に関しては、実際に行った業務上の行動・実績（含む発言）、すなわち「仕事ぶり
（プロセスや結果）」そのものを評価します。
極端な言い方をすれば「能力がある・なしに関係なく良い仕事ができたかどうか」で評価します。
例えば、「課題対応力」を例にとりますと・・・
課題対応力といった能力そのものが低くても、実際に課題に対応できればその出来映えを適正に
評価するということです。
また、賞与において「定量的な成果」を求める評価項目がある場合も、能力に関係なく実際の
実現度合いで評価をするということです。
もちろん現実的には、能力がないと良い仕事はできない（成果は出ない）といった関連性はあり
ますが、一方で、その時々のモチベーションの状態にも左右されます。
能力は低くても、その時のモチベーションが非常に高く、結果として素晴らしい仕事を行った
のであれば、その仕事ぶりそのものはキチンと評価するということが人事評価の大原則です。
※モチベーションは、その時々で湧きあがったり枯渇したりするものです。一方、能力は基本的
には低下しませんしモチベーションにも左右されません（もちろん、長期間活用しなかったり、
事故・病気等による低下はありますが）。
≪昇格（降格）の評価として活用する「能力」とは≫
昇格（降格）に関しては、様々な経験の中でどの程度当該能力を習得（保有）しているかを評価
します。
極端な言い方をすれば「仕事でその能力を発揮する・しないに関係なく、保有してほしい能力」です。
もちろん、発揮されることを前提とした能力であることは間違いありません。
すなわち、仕事を通じて（経験して）保有してほしい能力であり、この能力があれば、他の業務
もこなせるといった能力です。
仕事が “できる・できない” は、短期的には、その仕事をやった経験があるか・ないか、知識や
情報を持っているか・いないか（知ってる・知らない）に影響されますが、中長期的には、その
業務を遂行するためのベースとなる能力をいかに保有しているかどうかがポイントになります。
例えば、上記と同様に「課題対応力」を例にとると・・・・・
課題対応力があまりなくても、当該業務の経験が長いと今までの経験からある程度は対処できます。
しかし、条件や環境が異なったり、複雑な事情が絡んでくると対処ができなくなります。
一方で、本来の課題対応力といった能力を十分に持っていれば、条件・環境等が異なっても対処
できます（対処できる可能性は高まります）。
例え、初めて経験する業務であっても、少し時間をかけて知識や情報を得ることで、保有している
課題対応力を大いに発揮することができるのです。
このように、様々な仕事や課題に普遍的に求められる能力をいかに保有したかを昇格（降格）の
基準として判定・評価します。
ちなみに、能力の保有度合はどのように評価すればよいのでしょうか。
やはり、ベースになる評価視点は実際の行動や発言といった仕事ぶりです。
しかし、仕事ぶりは上述のとおりその時々のモチベーションに影響されます。
ですから、当該年度だけで評価するのではなく複数年度で評価する必要があります。
そして更に、これらの仕事ぶりと共に、「格付基準の考え、教育研修、レポート、面接」などを
通じて能力の保有度合を評価します。
これらは、能力をできるだけ多面的に評価することで、より納得性の高い昇格（降格）を行うための
ものです。
「昇給・賞与は仕事ぶりそのもの（発揮能力）を評価し、昇格は保有能力を評価する」ということ
なのです。
※人事評価制度は社員の処遇（昇給・賞与・昇格など）決定のための制度ですが、本来の狙いは
「人材育成」であり「人材価値の向上」です。
もちろん、評価すること自体には意味がありますが、評価した結果として、「何が問題なのか、
どう改善すべきか・・・」などを明確にし、決意し、行動することが重要です。
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ビジネスコラム提供者情報
- コンサルタント:人事・組織
- サントウ経営事務所
- 千葉県柏市亀甲台町１−１９−９
【代表者プロフィール】 ◆山藤茂。経営コンサルタント。中小企業診断士。 ◆「人事制度と儲かる仕組み」実践会・「タイムマネジメント」研究会を主宰。 ◆?日立製作所（人事勤労部門）に１４年在籍しＨ３年に独立。 ◆近年は、「人材育成と儲か …
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