採用時の健康診断（うさみ労務管理事務所）

採用時の健康診断

勝手に再検査をすると損害賠償を請求されます。

採用時の健康診断

■　今回は「採用時の健康診断について」を解説します。　　先日、ある社長から採用について、

　　こんなご質問を頂きました。　「採用予定者数名に健康診断を受診してもらったところ、　　肝臓の数値が異常に高い人がおり、

　　再検査の受診を検討しています。　　もし、大変な病気等の場合は

　　採用しない方向で考えていますが、　　法的に気を付けるポイントはあるでしょうか？　」
■　そもそも採用予定者に対して

　　健康診断等を実施することは　　労働安全衛生法で定められています。
　　これは採用時点での

　　社員の健康状態を確認すると同時に、　　配属する部署の決定などの参考にもなります。
■　ここで行う健康診断の内容は下記となっています。　　・既往歴（身体的、精神的な過去の病歴）の調査　　・業務歴（どんな環境の職場で働いていたか？）の調査

　　・自覚症状の有無　　・身長、体重、視力、聴力の検査　　・胸部エックス線検査　　・血圧の測定　　・採血による検査（貧血、血糖値、コレステロール値など）　　・肝機能検査　　・尿検査　　・心電図検査　　この中でも血圧、血糖値、コレステロール値などに

　　異常がある場合、　　脳梗塞などを発症する恐れがあります。

■　さて、健康診断をして

　　実際に肝臓の数値に異常がある場合は

　　B型肝炎、C型肝炎の可能性があります。

　　こういった場合再検査、精密検査を受けさせ

　　実際にB型肝炎と判明した場合でも

　　B型肝炎に関する検査をするということを

　　本人に告げていないと　　個人のプライバシーの侵害と

　　判断される場合があります。

　　実際の裁判で損害賠償を請求され

　　支払いを命じられたこともあります。

■　もし健康診断の結果

　　異常な数値が出て

　　再検査、精密検査をする場合は

　　本人に目的をはっきりと伝えて行うことが

　　大事です。　

■　また、最近はうつ病など精神疾患が

　　大きな問題となっています。

　　採用時に気を付けないといけません。

　　しかし、現在のところ

　　判例やガイドラインが無い状態です。

■　これに関してポイントとなるのは

　　面接時に既往症について聞いてみたり

　　職務経歴などに空白の期間がある場合

　　何をしていたかを

　　聞いておくことです。

　　こうしておけば、面接の時に

　　「既往症については聞かれなかったので言いませんでした」

　　というようなことは起こりません。

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